ライアンを探せ ~親が観て考える映画~ [映画]
NEW YORKの動物園で暮らすライオンの親子サムソンと息子のライアン。百獣の王として吠える練習をするも猫のように迫力が出せない。父のサムソンは野生にいた時はヌーの群れと戦っていた武勇伝を聞き、父への憧れとそんな父に近づけない自分に落ち込むばかりだった。
夜の動物園では動物たちが自由に遊び回っており、サムソンたちが参加するカーリング大会で一騒動起きてしまう。ライアンがインパラの群れを仲間たちと一緒に脅かしてしまったため群れが暴走しはじめたのだ。
父に怒られてしまい落ち込むライアンは緑のボックスに入ってしまう。それは野生につれていくコンテナだった。サムソンは仲間のリスのベニー、キリンのジュリアン、コアラのナイジェルなどとともにライアンの入ったコンテナを追いかける。
そしてその船は海を渡り野生に到着する。ライアンは森の中にはいってしまう。サムソンは追いかけようとするのだが実はサムソンも本当は野生は一度も経験したことがなかったのだ。それでも息子を捜そうとするサムソン。そしてライアンはヌーの群れにつかまってしまう。ヌーのカーザールはずっとライオンたちにやられていた時代を変えようとねらっていたのだ。はたしてライアンを見つけることができるのだろうか?
ディズニーの映画はとにかく大人と子供が一緒に観て情操教育となる何かテーマを伝えようとしている。今回はどちらかというと親が観た方がいいのかもしれない。どうしても子供とは親の背中を観て育つ。そんな父に憧れを抱くこともあるがそれが偉大であるとその重圧につぶされてしまうこともある。ライアンも父の姿を夢見ていたがそれに近づけない自分に腹もたつし、そんな父を少し恨む気持ちまでもっていたのかもしれない。
そんな親子が初めての野生の中で父としての本当の勇気をふりしぼり、息子も勇気をふりしぼる。そして仲間とともにそれを乗り越えていく。本当の意味での親子になれた瞬間である。父親としての勇気とは威厳だけではない。本当に子供にどんな姿でも見せることも必要なのだ。そういう意味で大人が観る方がヒントとなるかもしれない。
動物ものは相変わらず主人公にくっついてくる仲間がいる。だいたいはお調子者や女の子、少しどんくさくて話をややこしくしてしまうやつだとか。今回もキリンやヘビやコアラなど多種多様でそれぞれにいい味をだしている。特にコアラがいいいですね。
特に斬新なストーリーではありませんがとてもわかりやすく楽しめる作品といえるでしょう。
時をかける少女 不器用な少女の物語 [映画]
自宅のPCが丁度一週間前にいつもの朝と同じように電源を入れ、インターネットにつなごうとしたらつながりませんとのこと。そのために書き続けていたブログも小休止してしまいました。さて久々に書くのですがこれも不定期になると思われます。
さて今回は「時をかける少女」であります。我々の世代は原田知世主演の「時かけ」なのですが今回はアニメであります。
物語としては主人公の紺野真琴はとある夏の理科実験室に入り込んだために不思議な体験をすることになる。「タイムリープ」われわれの言う「タイムスリップ」というのか少し前の時間に戻れるのです。回数限定なのですが。真琴はそんな力を些細なことに利用します。
そして同級生の千昭に告白された時に動揺する真琴。時間を戻し告白を阻止しようとする。人の恋愛には首をつっこめるのに自分の恋愛はからっきしだめな真琴。
そして真琴は自分がタイムリープができる回数を使い切ってしまう。その後、自分の代わりに友達の身に危険が起こりそうになるがもう時間を戻すことのできない真琴。しかし時は逆戻りしていた。なんと千昭が未来から来たことを知らされる。しかし、その事を知らせたことで千昭は自分が未来に戻る道を閉ざしてしまう。そして真琴の前から消えた。
真琴は千昭がいなくなり悔やんでしまう。なんで告白という大切な気持ちを聞いてあげられなかったのか?そんな思いで過ごす真琴の腕にあと一回のタイムリープの表示が・・・。
千昭がタイムリープを使ったことで真琴の最後に使ったタイムリープが使われていなかったのだ。千昭のために真琴は時をかけていくのだ。
意外と青春している映画でした。人はどこかで時を戻せたらと思うが真琴が戻すことはおせっかいというか愛くるしいというかそんなことかよというものばかり。同じ場面を何回も戻してカラオケでのどがつぶれたり、妹にたべられそうになったプリンを食べに戻ったり女の子らしい部分もみせます。
原田知世主演と同じように千昭という男の子が未来からくるというシチュエーションは似ていますがまったく別物と考えましょう。
青春のほろ苦くもありさわやかな1ページを切り取った作品に仕上がっています。最後に千昭のために走る真琴はとても美しくあります。
スポンジ・ボブ スクエアパンツ ザ・ムービー [映画]
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- 発売日: 2006/08/25
- メディア: DVD
笑う大天使(ミカエル) [映画]
初恋 ~淡く切ない想い~ [映画]
エラゴン 遺志を継ぐ者 [映画]
ミディアム 霊能者アリソン・デュボア [TVドラマ]
いまさらながら「ミディアム」について語ろうと思う。最近レンタルになってテレビなどでも話題になってきたのだがWOWWOWでは第2シーズンが始まっている。主役のアリソン・デュボアを演じるのはパトリシア・アークウェットである。
彼女の事は以前書いたことのある「トゥルー・ロマンス」で大好きになったのだがその後はもうひとつこれっ!と言った作品はなく、丁度WOWWOWで始まるこの作品で久々に再会をはたした。
霊能力を持つアリソンが夢で犯人や殺された人からメッセージを受け取ったり。最初のうちはただの夢かと思うのだがいつしかそこから犯罪の糸口が見えるのだ。ほんまかいな!と思うでしょうし、私も最初はそう思っておりました。でもモデルとなった人物もいて最近来日していたようです。だから少しは脚色されてると思いますがあながち嘘ではないようですね。
ただ犯人を見つける話で終わらない。アリソンの家族が素晴らしいのだ。夫のジョーはとてもやさしい。普通妻が夜中に起き出して捜査のために出かけたり、犯人と同じような行動を取り出したりしたら文句のひとつもでるはずだ。
しかし、一生懸命妻をいたわりなるべく相手に合わせるようにしてくれている。相手を分かろうと努力している。とてもよくできた旦那さんなのです。
そして物語は難事件を解決しても最後には夫婦や親子のエピソードを投入する。ここがさらに3人娘がいるのだがこれがまた個性あふれる子ばかり。アリエル、ブリジット、マリーの三姉妹である。
一番は次女のブリジットなのだがこれまたいつもおねえちゃんとケンカしているシーンか親にごねているシーンしかみたことがない。たぶん自分に素直なんですよね、子供だから。だけどそんなブリジットとアリソン夫妻のかわいらしいエピソードはブリジットが老犬を拾ってくる。ジョーが病院につれていくと、もって数週間と言われる。
せっかく娘が興味をもって自分で育てようとしているのに死んでしまうということをどう伝えようか夫婦はとまどうのだ。アリソンはそんな中も事件を解決し、最後に夫婦で意を決してブリジットに犬がもうすぐ死ぬと話そうとするとブリジットは最初からその事を知っていたので夫婦だけが心配しすぎたんだというオチになっている。
事件の究明もおもしろいがこの夫婦と三人娘が仕事が忙しいからといって家族間を大切にしているところがただの謎解きに終わらないヒューマンなドラマに仕立て上げられているのだろう。そしてアリソンの娘も彼女と同じように夢を見る力をもっているのだ。はたしてドラマはどうなっていくのでしょうか?
G1CLIMAX 決勝を観て ~それぞれの夏、それぞれの思い~ [スポーツ]
2000年に東京で働くようになってよかったと思うことのひとつはたくさんプロレスを観るチャンスが増えたことだ。一番好きな新日本プロレスの夏の風物詩となったG1CLIMAXに行くのももう5年目になる。
今年は12名参加でA,Bの2ブロックに分かれ各ブロック2名が決勝トーナメントに出場し優勝者を決める。今回はIWGPチャンピョン永田裕志、ヒールで大ブレイクした真壁刀義、そして新日本の未来を担う二人、棚橋弘至、中邑真輔の4名が残った。
決勝は昨年IWGPチャンピョンで予選も突破できなかった棚橋弘至と現IWGPチャンピョン永田裕志の対決となった。今年一度シングルで戦った二人は永田が勝ちIWGPのチャンピョンに返り咲いたのだ。
ややG1決勝の試合時間にしては物足りないが棚橋が勝った。2~3年前の新日本は中堅がしっかりしていなかったため、棚橋はまだ若手に部類されながらもチャンピョンに挑戦し、いつも惜敗していた。さらにその頃の勝ち方は丸め込みや返し技が多くあまりいい印象をもっていなかった。
しかし昨年IWGPのチャンピョンになる前後は自分なりの技を見せ新日本の中心選手として認められる存在になったきたと思う。チャンピョンを経験し、そしてまたそれを失ってからどういう経験値をあげるかでまた次のチャンピョンになるときにはくがつくのだ。そうそう棚橋はやはり肉体美がすごい。いつもプロレスを観にいく人もジムにかよっているのでそのあたりは気になるようでもうあの鍛え方は素晴らしいですね。男があこがれます。
一方の永田選手は私と同じ年でやはり共感をもてる。常に名勝負製造機であるがここ一番で花開きそうで開かないのだが今年チャンピョンをとり、まさにさっき言っていた経験値を積んだチャンピョンとしてのこのG1の戦いであった。
プロレスは見に来ている人たちがそれぞれの選手に思い入れを抱いている。だから永田が勝って欲しいと思う人いれば棚橋勝利に歓喜する人もいる。試合が終わり帰り際に我々も他の人たちも今日の結果をそれぞれの持論で話している。観客席で大声を出している人もいれば小声で好きな選手を応援しているファンもいる。
そんな1万人近い観客が今日の酒がおいしかったりまずかったりするのだ。できれば皆がおいしい酒を飲めればいいのだがそこが面白さなのだ。棚橋の優勝を満足しない人、チャンピョンが何故勝てないのかと憤りを感じるひともいる。でもそれでいいのだ。負けたチャンピョンがここからどう威信回復するのか、G1を勝った棚橋がこれからどう新日本の本道に乗ることができるのか?
そこに我々はまた自分たちの持論をプロレスファン同士で語り合うのがまた楽しいのだ。そんな繰り返しであります。今日は両国国技館に訪れ、入り口入ったグッズ売り場もたくさん人がいてなんか熱気も少しづつ戻ってよかったなぁと思いました。でも信頼回復ってすぐにはいかないからこの状態を来年のG1にもつなげてほしいです。
さて試合後に3人で飲んで総武線にのって帰っていたのですがなっ、なっ、なな、なんと同じ車両に古き良き新日本を猪木さんと支えていたヤマハブラザーズで突貫小僧と言われた星野勘太郎さんがいたのだ。興奮した3人ですが手元にパンフレットを持っていたのですがサインしてらうにもペンがありませんでした。残念!みなさんいつどこで誰とあうかわからないのでペンは持参してください。
そこで握手だけしてもらいました。もう大興奮です!これこそブログでも書かなきゃと思いました。プライベートな場所なので写とかは遠慮しましたが一緒に写真写したかったですね。
この方が星野勘太郎さんです。
受験の神様 ~心のちょっとしたのりしろ~ [TVドラマ]
さて「受験の神様」ですが前回キャンプで最下位になり道子(成海璃子)の家庭教師を受けられなくなった三人はそれでも三人で一緒に勉強することになったが西園寺だけがレベルが高く他のメンバーはなかなかペースが追いつかない。西園寺は弟の方が出来がよく医者にならねばならないというプレッシャーにさいなまれていた。
勇(山口達也)は梅沢家で合宿をしてみなで勉強しようと提案する。模試が近づく中、道子が梅沢家にやってくる。西園寺が他の二人に説明する姿をみて落胆する。そして勉強の再会を提案するが教える三人は西園寺の弟に入れ替えることを宣言する。そして模試が近づく。はたして三人の結果は・・・・。
西園寺家は医者をしている以上、長男に医者を継いで欲しいという思いがあった。弟は兄の背中をおい勉強するが弟の方が勉強にむいていた。兄はプレッシャーで勉強と将来に押しつぶされかけていた。勇はその姿をみて心配する。そして勇と西園寺の父が通っていた学校に忍び込み、父の小さい頃の話しをし始める。
どうしてもなんのために勉強するのかは本当に自分のために考えている子はそう多くない。親の影響や親の意志に沿うように勉強する。親の思いもわかるが本当にやりたいことをやっているのかは疑問である。そして模試で西園寺は得意の数学で0点をとる。しかし彼の勉強に変化があらわれる。
少しづつ道子の勉強方法が子供達をかえていく。はたして彼らの勉強で本当に志望校に合格できるかはわからない。おそらく私の予想では3人は1人くらい(おそらく西園寺かな)しか志望校には合格できないと思う。でも彼らがこの1年間でしたことが人生の中で財産になるに違いない。
模試の会場に同じ模様の入ったかばんを背負い、相手を蹴落とすことしかできない子たちが合格してしまうのが今の世の中である。そんな人がいつしか日本を動かしていくのだ。ロボットを作っているようにしかみえない。個性ある顔が皆同化してしまっていくようだ。
小さい時にしてきたことはきっと大きくなっても変わらない。親が心にすこし余裕をもっていないと追い込み続けるだけでだめだ。走り続けるだけでなく休憩場所が必要だ。西園寺家にはそれがないため追いつめられた。しかし勉強の解き方に目覚め、その思いが親にも伝わり、少しだけ心に余裕が持てるようになった。だからこそ彼が合格するだろう。
さて物語は後半に入りどのように進んでいくのだろう。今の時点では絶対に自分の子供に小さい頃からの受験はさせたいとは思わない。はたしてその私の考えを変えてくれるのか?それとも受験に対してどういう方向性をつけてくれるのか?楽しみにしておきたいと思います。
はだしのゲン 涙の爆発 ~伝えなければならないこと~ [映画]
小学生の頃にはよく「はだしのゲン」の漫画やアニメを観て原爆の怖さ、戦争のおろかさというのをよく教えられた気がします。そんな作品の実写版が作られており、WOWWOWで丁度、広島や長崎の原爆がおちた日にあわせて放送されていたので録画してみました。
三部作の第2作にあたる涙の爆発を観たのだが物語としてはもう広島に原爆がおちた後の話しになっている。ゲンは原爆で父や姉妹を失った。母(宮城まり子)は友子を産んだのだが家も焼かれ、食べるものがなかった。ゲンはどうにかしてコメを調達しようとしたのだがそこで弟の隆太にそっくりな子供に出会う。
母とゲンと友子は母の友人キミ(市原悦子)の家にすませてもらうが「ほたるの墓」同様、食べ物も減るだけだし、原爆の影響もあるということで虐げられる。そんな折、ゲンは金を稼ごうとしていた時に人の世話をするように頼まれる。それは学徒動員で原爆をうけてしまった美術家志望の吉田政二(石橋正次)で家族からも包帯をまかれ隔離されていた。
ゲンはそんな彼に本音をいい政二に口で絵を描くように励ます。そして外に写生に出かけるが皆から化け物扱いされてしまう。浴びたくて浴びたわけではなく人として扱われないことにゲンと政二はある行動をとるのだ。
今では差別になるような発言も多く出てくるのだが今はベテラン俳優たちも若くして出ており、石橋正次やその恋人に竹下景子など出ている。宮城まり子さんも市原悦子さんも若い。くしゃおじさんも出てきます(若い人は知らんかぁ)。
子供たち中心の映画であるが原爆のおそろしさは落ちた所には75年は草木がはえないと言われ、髪の毛はぬけおちてくる。自分も周りの人と同じように死んでしまうのではという不安が出てくる。でもこの状況で新しく生まれた命=友子のためにゲンは元気に生きようとする。その思いが75年生えないと言われた草木を咲かせるのだ。
途中、殴られ屋ではないが兄弟で食べ物を盗もうとして殴って農家の同乗をひいて野菜をもらうという姿を真似してゲンたちが失敗したりコミカルな場面も多く小さい子供たちが活き活きと演技している。
戦争とはおろかなものだが実際におきている。それによって罪なき人まで怪物扱いされそんな目で見られてしまう。日本人は被爆国として何かを伝えねばならない。明日とあさってたまたまフジで「はだしのゲン」が放映される。(私が観た作品ではなく最近作ったもの)お盆の頃には必ずといっていいほど日テレで「ほたるの墓」が放送されるように毎年その思いを伝える必要があると思う。
戦争を美化する必要はない。でも生き残った人がその意味のなさというよりこれからこんなことはしては意味がないんだよということを冷静に伝えられるはずだ。近いうちのこの続きの第三作をまたWOWWOWでとったのでそれを観て感想を書きたいと思います。